第二話 ◆ チュートリアルを覚えよう
やあみんな、
パーフェクト坂本です。
それじゃあ、ここからの脱出を目指してがんばるよ!
in 学問の部屋
俺がフランデル大陸にやってきて初めて出会ったのは操作法ガイドさん。
ちょっと厳しそうで物怖じしてしま………
(チラッ)
(チラッ)
(じー……)
……はっ!!
いや違うぞ!
決して隣のアーチャーを凝視していたとか断じてないっ!!
俺は胸元など断じて見てはいないぞ! 断じてだ!!
さて、時間もあれなので操作ガイドに話しかけてみよう。
できればあのアーチャーに話しかけたかったな。
話しかけた瞬間に襲い掛かられてもいいように盾の構えはばっちりだ。
うおっ!?
厳しそうな人かと思ったら
超滑舌。
始めるって何を?
ん?
そうか、これはクエストだったのか!(どーん)
◆ミッション1・チュートリアルを覚えよう
うん? えーと、
もうちょっとゆっくり喋ってほしいな。
聞いちゃいねー。
ふーん、へーぇ…。
狽、おっ?!
聞いてるよ聞いてる。
田中さん家のチワワが脱走して強盗事件に巻き込まれたんでしょ?
話なげー。
(わぁそうなんだ、すごーい。)
うんうんすご………
え!?
ちょっと待ってくれ、俺はガイドの話をちっとも聞いていなかった!!
むう… 答えを教えてくれそうにないな。
しょうがない、適当にどれかを選ぶか。
じゃあ3)のCキーで。
ん?
どうなんだ、当たったのか?
わーいやったー。
ここにはもう用はないから、送ってくれ。
いままでありがとう、操作ガイドのおっちゃーん!
はあはあ……感動的な別れだった。
あのおっちゃんにまた会えるといいな。
と思ったら次の部屋にも同じ顔がいたし。
俺の感動を返してほしい。
いきなり何言っているのか分かんねー。
こりゃあ真剣に話を聞かないとクイズ分からんかもね…。
あー、うー、あー。
ぷしゅーぼんっ。
うんちょっと大丈夫…。(ぶすぶす)
ああもう、解きます…。
(どうせ何度聞いても分からんし。)
えーとうーんと〜?
(全然分からん…。)
じゃあ4)のF6キーでいいです。
はい。
考えても分からんですので。
はい。
ガイドさーん、答えは?
わーいやったー♪
はーい分かりました。
えっ、まだあるの?
俺が悪かったです。
あー、難しい話をたくさん聞いて頭が痛いのでちょっと休憩していきます。
よっこらせっと…。
ふー、疲れたな。
普段使わない筋肉
(特に頭)をたくさん使ったからなあ。
ん?
カバンに何か入っているぞ。
何だこれは。
おおお!
カバンの中にこんなものがっ!
これは嬉しいなあ。
でもいつの間にこんなものを手に入れたんだろう?
そう言えば操作法ガイドのおっちゃんと画面情報ガイドのおっちゃんが報酬品どうのこうの言っていたなあ。
何のことか分からなかったから思いっきりスルーしてしまった。
あの二人、何で俺が甘党だって事を知っていたんだろう…。
操作法ガイドのおっちゃん…。
画面情報ガイドのおっちゃん……。
俺、二人のこと、ずっと忘れないよ……。
さてそろそろ…。
飴全部食っておこう。
何だか無理矢理旅立たされた感があるんだけど…。
(気のせいだと思いたい。)
さて、次は何かな。
またお前か。
いや、分かってたけどね。
分かっていても言いたくなることってあるじゃん。
そんな感じで、この人は何を教えてくれるのかな。
何こいつ偉そう。
まあいいや、それよりも戦闘方法を教えてくれるのか。
今までのガイドたちとはちょっと違うな。
言っている事は何となく分かるが文章自体はよく分からない。
まあ、実践が来れば自然と分かってくるだろう。
ん? 何だこれは。
1)CPというのは何でしょうか? という選択肢がある。
というかこれしかない。
そりゃあお前、CPっていうのはあれだろう。
ちょっとした(C)禁止用語(ピーーーー)とかそんなんじゃないの?
つまりCPっていうのは必殺技を出す為に必要な気の溜め置き場みたいなものか。
それで結局CPって何の略なのさー!
そんな小難しいこと考えながらプレイしている人っているのかな…。
この人もたいがい話が長い…。
マジー? テストなしー?
超ラッキー。
うん、じゃあねーおっちゃん。
わっ、ちょっと何これ?!
邪魔なんだけど。
ふう… またお前でも驚かないぞ。
というかいつになったらここから出られるんだろう…。
その顔で「〜だよ☆」「〜かな?」って無い。
うえっ、爽やか臭い。
何カッコつけてんだよそろそろ加齢臭が気になる年頃だっていうのに。
いいえ何も。
(今さり気無く俺を小ばかにしやがったなこのおっさん。)
ん? 1)称号と言うのは何でしょうか? という選択肢がある。
というかこれしか(ry)
お前そんな事も知らないのか。
この主人公って結構馬鹿なんだな。
へー、銀行使うだけでもクエストしなきゃいけないんスか。
結構めんどくさいですね。
くっ。
(結構やな奴だな。)
何か言っている事が支離滅裂だよ。
そんな事よりクエストしようぜ!
モンスターの情報を知って何になるんだよ。
モンスターなんかよりフランデル大陸にいる女の子すべての情報が知りたいよ。
ごめんなさい。
1)狩り場に行かせてください。
むむっ、木造立ての部屋に転送されたぞ。
ここがクエストガイドの言っていた狩り場か?
むむっ、あれは!
ぎゃあああっ蜘蛛だーーー!!
おえっでかい、気持ち悪い。
俺、虫系とか駄目なんだよね。
うわー部屋中のあちこちにいっぱいいるし。
え、これを倒さなきゃいけないの?
倒さないと先に進めないの?
冒険者やめていい?
そうは言ってもやめさせてもらえるはずもなく。
分かったよ分かりましたよ、狩ればいいんでしょ狩れば。
ひゃあーーーーーっふふうううううゥオラオラオラ!!!
ぐちゃっ……。
…………。
う……うわああああっ!!!
ドカッ!! バキッ!! ザシュッ!!
ぐちゃ…。
ドカッ!! バキッ!! ザシュッ!!
ぐちゃ…。
うわああああ――――………!!!
……………
………
……
…
冒険家というものは、ぼくが思っているよりもずっと過酷で辛いものなのかもしれない。
お次は石畳の部屋に転送された。
そこには煌びやかな鎧を着込んだ
やたら輝かしい爺さんがいた。
彼はペイロンという。
しかしここ、
どう見てもモンスターはいないし武装する必要がないと思う。
この爺さんよりも武装しなければならない人間は他にいたはずだ。
狩り場のガイドとか。
俺の目にはまるで
過去の栄光が忘れられない哀れなジジイのように映ったが、とりあえず話を聞いてみようと思う。
うひょー!
これがレベルアップというものかー!
気持ちいー!!
(始まったよ老人の長い説明話が…。)
ふぁい。(もう半分も聞いていない。)
1)駆け出しの冒険家に与えられる称号?
1)ふむふむ。
ふむふむ。じゃねーよw
1)どういうことですか?
1)なるほど。
なるほどって俺、友達いねーだろ。
1)私なら、そんな冒険家になれます。
うわっ、言い切りやがった!
迷いとかそういう言葉を知らないのかこの主人公は。
わーい!
やっとここから出られるのだな!
2)今すぐ行くことにします。
嫌です。
俺は勉強より実践派なんですよ。
だから早くここから出してください。
in 古都ブルンネンシュティグ
うおおおおお!!!
緑鯖、ついに俺はやってきたぞおーーー!!
むっ、あれは何だ?
何か勝手にクエストが発生したぞ。
アリエルって誰だ? 人か?
まっいいや、それよりあっちが面白そうだから行ってみようっと〜♪
ケイルン:
………。
こうしてパーフェクト坂本は緑鯖を右往左往することになったのだった。
◆ミッション1・クリア
おまけ
さーてどう育成するかな。
(第二話・完)
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