第八話 ◆ メインクエスト1−1、1−2 こんにちわー 坂本でーす。 古都を散歩していたら変なおじさんに話しかけられました。 ?? いや、実際に分からないんです。 メインクエスト? 伝書鳩…? … そういえば何か来たような。 えー? そんなものもらったっけ。 分かったよ、そんなに怒るなよう。 ゴソゴソ。 トントン。 ん? 誰だ? 今肩を叩いたのは… 誰? (割と本気で。) 初めまして、オレの名前はパーフェクト山本。 あんたと同じく“パーフェクトシリーズ”として作られた三番目の兄弟です。 よろしくね兄さん。 何それ怖い。 それよりも、探しているのはこれでしょう? 何これ? 俺はこんなものもらってないぞ。 兄さんはね、あの鳩がやってきた瞬間にキーを連打していたのさ。 それで、表示されるはずだった手紙の内容が表示されずに鳩が飛んできて何もせずに帰ったという訳の分からないシチュエーションが発生してしまったってわけ。 あんまりむやみにキー連打をしたら駄目だよ、兄さん。 そ…そうだったのか…。 ごめん。 それで、お前は何なんだ。 オレ達は兄さんが撮り逃したり失敗したりした決定的瞬間のスクリーンショット(以降SS)を集め直すために作られたサブキャラクターさ。 オレ達? そう。 ま、説明するよりこれを見て。 その方が早いから。 ぎゃあああああ!!! キモイ!! 全く、兄さんはSSの撮り忘れが多くて撮り直しに行くのが大変だよ。 第二話なんて3枚も撮り忘れがあったんだから。 これを見てよ。 これは?! 次男の岡本兄さんだよ。 キモッ!! 今、学問の家で撮り忘れた会話SSを撮ってきてくれているんだ。 そこまでしなくても…。 兄さんがちゃんとSSを撮ってくれば、オレたちだって出動せずに済むんだよ。 つまり、兄さんのミスは全部オレたちにツケが回ってくるの。 分かる? 兄さんがしっかりしてくれないとオレたちに迷惑がかかるって言ってんの。 真面目にやってよね。 はい…。 (おかしい、俺の弟ならもっと可愛いはず…。) うわっ、戦ってる…。 そりゃあ、岡本兄さんだってやる時はやるよ。 あの顔はないと思うけどね。 お前、結構毒舌だな。 死んだ。 ないわぁー。 お前まで敵に回ったら誰が岡本を庇うんだよ。 蘇ったー!!? そりゃあ蘇るよ、岡本兄さんだもの。 何でだよ! (完全復活巻物です。) そんなことよりも、オレだって大変だったんだから。 兄さんが鳩の手紙をもらい損ねるから、コボルト狩りでレベルを上げてきたんだからね。 コボルト狩り? 知らなかったの? メインクエストはLv3以上にならないと、クエストが自動発生しないんだよ。 そうなのか。知らなかったなぁ。 兄さんって学問の家で何を学んできたの? F6キーを押してクエスト窓を開くくらいしなよ、ほんと使えねえなぁ。 うわ、無茶苦茶傷付いた。 おお、一丁前に戦っているじゃないか。 お前は武道家なんだな、山本。 まあね。 左利きなのか? オレが右手を使うとコボルトが消し炭になるぜ? ムカつくかっこいい。 死んでんじゃねーよ。 キノセイだよ。 じゃあ、兄さんに手紙を届けたからオレは帰るね。 使ったらちゃんと返してよ、オレもメインクエストやるから。 じゃーねーノシ おう、ありがとう…ノシ ・・・。 ただのパシリじゃん。 やだよ、会議に出すもんくらい自分達で集めてよ。 よし、俺に任しとけ。 ◆ミッション5・ロングッシュの風聞収集 とは言ったものの、誰から何を聞き出せばよいのやら…。 あれ? マップに変化が出ているぞ。 生体反応がびっしりだ。 どういうことだ? どうやら頭上に青い巻物が出ている人に生体反応が引っかかっているらしい。 この人たちから聞き出せってことだろうか。 まずはこの貴婦人に声をかけてみよう。 おっ、うわさを一つ手に入れたぞ。 うわさってこんなのでいいのか。 レッドストーンは不老不死の妙薬ねぇ? うさんくせー。 おねーさんありがとうございました、他の人のところに行ってみまーす。 東方面にある広場に来てみた。 綺麗なお嬢さんがいる。(どきどき。) 緊張するな…。(身だしなみを整えながら) よしっ。 すみません、ちょっとお尋ねしたいのですがー えっ? この反応は…。 あの、すみませーん。 うわあああっ!? 俺が何をしたって言うんだ!! はあはあ… 思わず逃げてきてしまった。 人と話すのがトラウマになりそうだったぜ…。 こんなところにちびっこが。 この子にも青い巻物が付いているけど、今は幼女に話しかけただけで逮捕される世の中だからなぁ。 どうしよう。 クエストならいいかな。 きみ、可愛いね。 荒みかけていた心が癒されたよ、ありがとう…。 こんなところに貴婦人を発見。 何か変なのに関わっちゃったなぁ。 無視しておこう。 その後も色々な人に話しかけてみたが、思うような成果は得られない。 しかし根気よく調査を続けているうちに、それらしい噂が集まってきた。 レッドストーンを流す女性って人間じゃないと思う…。 よーし、うわさを6つ集めたぞ。 はっ。 コリン:じー。 お、お前には声をかけてやらないからな! ロングッシュ、集めてきてやったぞ! それはよかったね。 で、飴は? はあ?! ふざけんな! よし任しとけ! ◆ミッション6・地下水路への探索 えーっと、ブルンネンシュティグの地下水路って… あった。 in 地下水路 B1 街の下にこんなダンジョンがあったんだなあ。 そう言えば、RED STONEに関する内容って具体的にどんなものなんだ? 聞いておくのを忘れていたな。 コボルト発見! 病気じゃないコボルトを初めて見た。 ちょっとからかってやろう。 うっ、当たらない!? このコボルト…強い! 痛い!(ばりばりばりぼり。) ぜーぜー…。 手強かった。 ここの敵って結構強いんだな…。 ん? 何だこれは。 コボルトの襟の羽毛が特に目立つってどういうことだ? 羽毛があるのか? コボルト…。 鳥… だったのか? コボルト…。 何かありそうだからとりあえず狩ってみる。 飴の消費が半端ない。 倒す度に増える特に目立つ羽毛。 目立つから何なんだ。 わーい、レベルアップだ。 はっ! 木こり斧だー!! バスタードソードより威力は劣るけど、決定打+3%がいいな! どれ、早速使ってみよう。 ふむ、威力はバスタードソードとそんなに変わらないな。 ! !! すげえ!! またレベルが上がった。 しかし いつになったらアップするんだー。 んっ? おおお! 天上の天使の羽から落ちた羽毛… 別にコボルトの物って訳じゃなかったんだな。 というか、何でコボルトがこんなものを持っているんだろう。 さて、レベル10と言えば皆は覚えているだろうか。 そう、第三話のコリンの授業をクリアした時にもらったあの報酬、 [移動速度Lv1]クロスシューズが装備できるようになったのだ! しかし残念ながら、足が速くなった実感が掴めなかった。 5%ぽっちじゃしょうがないか。 足が草鞋からクロスシューズになって、防御が8→9になった。 何気に胴巻きを拾って装備したんだが、防御力は初心者ベルトと変わらなかった。 ストックは2→3になったらしいけどな。 バガボンド…。 変な名前…。 バガボンド:(こいつには言われたくねえ…。) ヘイホー! ヘイホー! バガボンド:あっち行け! キコリ野郎! ん? こんなところに本棚が。 怪しい。 わーい、何か見つけた♪ じゅ、15冊も…。 重い…。 胡散臭そうなおっさん発見。 せいっ! せいっ! うわ、凄い指だ…。 ぎゃー!! しまった、このおじい強いぞ!! ヘイホオオオオ!! たあああ! 口ほどにもないっ。 おじいのせいでキャンディSPの残りが13個になってしまったぞ。 30個くらいあったのになぁ、しばし強い敵との戦闘は控えよう。 むっ、本棚…。 嫌な予感…。 やっぱり…。 これで計22冊か…。 覚えてろよロングッシュ…。 in 古都ブルンネンシュティグ やいロングッシュ! お前のせいで大変だったぞコノヤロー! おいふざけんな、飴とケーキ寄越せ! 何か言ったか? わーい♪ えぇ? まだ続くの? 面倒くさいなあ。 国会議事堂に行けばいいんだっけ? 国会議事堂がブロームの私物になっている。 in 国会議員ブロームの事務室 この人がブロームか。 いいところに住んでいるなぁ。 頼む気満々なのに何で偉そうなんだ。 どうせ俺は駆け出しのぺーぺーですよ、悪うございましたねっ。 20レベルってまだまだ先だよ。 このクエストは当分お預けだね! 家に帰って麦茶でも飲もーっと。 ◆ミッション5・6クリア おまけ ダッ! (第八話・完) |