第八話 ◆ メインクエスト1−1、1−2


ロングッシュ。


こんにちわー 坂本でーす。

古都を散歩していたら変なおじさんに話しかけられました。



ロングッシュアイコン

ロングッシュ変なおじさんとは何だ変なおじさんとは…。
うぉっほん。

「お元気でしょうか? 冒険家の皆さん。 私はブルンネンシュティグの八選国会議員「ブローム」の秘書「ロングッシュ」です。  近ごろRED STONEについて、多くのうわさが溢れています。」




??



ロングッシュアイコン

ロングッシュ何ですかその、「何を言っているのか分かりません」みたいな顔は。



いや、実際に分からないんです。



ロングッシュアイコン

ロングッシュそんなはずはない!
私は駆け出しの冒険者からベテランの冒険者まで、くまなくメインクエストの招待状を贈っているはずなのですから!




メインクエスト?



ロングッシュアイコン

ロングッシュ本当に分からないのですか!?
数日前に伝書鳩が貴方の元に向かったでしょう?




伝書鳩…?








心当たり。





そういえば何か来たような。





ロングッシュアイコン

ロングッシュその鳩が私の使いです!!
その鳩から手紙を受け取ったでしょう?




えー? そんなものもらったっけ。



ロングッシュアイコン

ロングッシュちゃんと探してみてください!

その手紙がなきゃメインクエストが始まらなくて私がブロームに怒られる…!




分かったよ、そんなに怒るなよう。

ゴソゴソ。



トントン。



ん?

誰だ? 今肩を叩いたのは…








どん。


誰?
(割と本気で。)



パーフェクト山本アイコン

初めまして、オレの名前はパーフェクト山本。

あんたと同じく“パーフェクトシリーズ”として作られた三番目の兄弟です。

よろしくね兄さん。




何それ怖い。



パーフェクト山本アイコン

それよりも、探しているのはこれでしょう?




ロングッシュの招待状。





ロングッシュアイコン

ロングッシュおおおおっ!!
これですこれ! 貴方は素晴らしい冒険家だ!(涙)




何これ?

俺はこんなものもらってないぞ。



パーフェクト山本アイコン

兄さんはね、あの鳩がやってきた瞬間にキーを連打していたのさ。

それで、表示されるはずだった手紙の内容が表示されずに鳩が飛んできて何もせずに帰ったという訳の分からないシチュエーションが発生してしまったってわけ。

あんまりむやみにキー連打をしたら駄目だよ、兄さん。




そ…そうだったのか…。

ごめん。



それで、お前は何なんだ。



パーフェクト山本アイコン

オレ達は兄さんが撮り逃したり失敗したりした決定的瞬間のスクリーンショット(以降SS)を集め直すために作られたサブキャラクターさ。



オレ達?



パーフェクト山本アイコン

そう。

ま、説明するよりこれを見て。

その方が早いから。









パーフェクトシリーズ。

ぎゃあああああ!!!

キモイ!!








パーフェクト山本アイコン

全く、兄さんはSSの撮り忘れが多くて撮り直しに行くのが大変だよ。

第二話なんて3枚も撮り忘れがあったんだから。

これを見てよ。




お初。


これは?!



パーフェクト山本アイコン

次男の岡本兄さんだよ。



キモッ!!



パーフェクト山本アイコン

今、学問の家で撮り忘れた会話SSを撮ってきてくれているんだ。




そこまでしなくても…。



パーフェクト山本アイコン

兄さんがちゃんとSSを撮ってくれば、オレたちだって出動せずに済むんだよ。

つまり、兄さんのミスは全部オレたちにツケが回ってくるの。 分かる?

兄さんがしっかりしてくれないとオレたちに迷惑がかかるって言ってんの。 真面目にやってよね。




はい…。

(おかしい、俺の弟ならもっと可愛いはず…。)





岡本「ふんっ!ふんっ!」


うわっ、戦ってる…。



パーフェクト山本アイコン

そりゃあ、岡本兄さんだってやる時はやるよ。

あの顔はないと思うけどね。




お前、結構毒舌だな。



岡本「ごはあっ。」


死んだ。



パーフェクト山本アイコン

ないわぁー。



お前まで敵に回ったら誰が岡本を庇うんだよ。



岡本「そぉい!」


蘇ったー!!?



パーフェクト山本アイコン

そりゃあ蘇るよ、岡本兄さんだもの。



何でだよ!

(完全復活巻物です。)



パーフェクト山本アイコン

そんなことよりも、オレだって大変だったんだから。

兄さんが鳩の手紙をもらい損ねるから、コボルト狩りでレベルを上げてきたんだからね。




コボルト狩り?



パーフェクト山本アイコン

知らなかったの?

メインクエストはLv3以上にならないと、クエストが自動発生しないんだよ。




そうなのか。知らなかったなぁ。



パーフェクト山本アイコン

兄さんって学問の家で何を学んできたの?

F6キーを押してクエスト窓を開くくらいしなよ、ほんと使えねえなぁ。




うわ、無茶苦茶傷付いた。




戦う山本。


おお、一丁前に戦っているじゃないか。

お前は武道家なんだな、山本。



パーフェクト山本アイコン

まあね。



左利きなのか?



パーフェクト山本アイコン

オレが右手を使うとコボルトが消し炭になるぜ?




ムカつくかっこいい。




あひゃっ。


死んでんじゃねーよ。




パーフェクト山本アイコン

キノセイだよ。


じゃあ、兄さんに手紙を届けたからオレは帰るね。

使ったらちゃんと返してよ、オレもメインクエストやるから。

じゃーねーノシ




おう、ありがとう…ノシ



・・・。




ロングッシュアイコン

ロングッシュしっかりした弟さんですね。
では続きを。

「我が議員様はRED STONEに関してゴドム共和国で広がっている風聞の類を、今度の定期国会の集まりに提出する予定です。  ブルンネンシュティグに広まっているうわさを聞いて、6個ほど記録した後、私に持って来ていただければお礼をいたします。」




ただのパシリじゃん。

やだよ、会議に出すもんくらい自分達で集めてよ。



ロングッシュアイコン

ロングッシュそんな事言わないでお願いしますよ。
後で飴を買ってあげますから。




よし、俺に任しとけ。




ロングッシュアイコン

ロングッシュはぁ、やっとここまで進んだ…。





ミッション5・ロングッシュの風聞収集




途方に暮れる坂本。


とは言ったものの、誰から何を聞き出せばよいのやら…。

あれ? マップに変化が出ているぞ。


生体反応。


生体反応がびっしりだ。

どういうことだ?


貴婦人さん。


どうやら頭上に青い巻物が出ている人に生体反応が引っかかっているらしい。

この人たちから聞き出せってことだろうか。

まずはこの貴婦人に声をかけてみよう。



貴族婦人アイコン

貴族婦人「私もRED STONEを一度でいいから持ってみたいですわ。  RED STONEは不老不死を与えてくれると言うそうね? …この若さをずっと保てたら…」

噂1、ゲット。




おっ、うわさを一つ手に入れたぞ。

うわさってこんなのでいいのか。

レッドストーン不老不死の妙薬ねぇ?

うさんくせー。

おねーさんありがとうございました、他の人のところに行ってみまーす。



広場に来てみました。


東方面にある広場に来てみた。

綺麗なお嬢さんがいる。(どきどき。)

緊張するな…。(身だしなみを整えながら)

よしっ。

すみません、ちょっとお尋ねしたいのですがー


この反応は…。


えっ?

この反応は…。


大勢に話しかけてみた。


あの、すみませーん。


加工です。


うわあああっ!?

俺が何をしたって言うんだ!!




逃げてきた坂本。


はあはあ… 思わず逃げてきてしまった。

人と話すのがトラウマになりそうだったぜ…。


こんなところにちびっこが。

この子にも青い巻物が付いているけど、今は幼女に話しかけただけで逮捕される世の中だからなぁ。

どうしよう。

クエストならいいかな。


ちょっと癒される。


きみ、可愛いね。

荒みかけていた心が癒されたよ、ありがとう…。



日焼け対策ですか?


こんなところに貴婦人を発見。



貴族婦人アイコン

貴族婦人「あら!  RED STONEのうわさですか? 今はマッサージがもっと重要です。 そして汚い手をどこにつけるのですか?」



何か変なのに関わっちゃったなぁ。

無視しておこう。




ちびっこ。


お嬢さん。


おじさん。


貴族。



その後も色々な人に話しかけてみたが、思うような成果は得られない。

しかし根気よく調査を続けているうちに、それらしい噂が集まってきた。




貴族アイコン

貴族「RED STONEは世の中で一番高価な宝石だと言ううわさを聞いたことがありますよ。」

噂2、ゲット。





ちびっこアイコン

ちびっこ「むか〜し、海に現れた竜が赤色だったんだって。  それで、その竜がうろこを一つ落として、それがRED STONEになったんだって。」

噂3、ゲット。





青年アイコン

青年「昔、おじいさんがしてくれた話を思い出しました。  RED STONEの伝説だと。 ただ幼い頃に聞いた昔話のようなものですがね。」

噂4、ゲット。





青年アイコン

青年「オアシス都市アリアンで悲しみ暮らしている女性の涙だといううわさは聞きましたが…本当なのかよく分からないですね。」

噂5、ゲット。




レッドストーンを流す女性って人間じゃないと思う…。



おばさんアイコン

おばさん「この前、旅人に聞いた話ですが、これのために天使同士が争い合ったと言っていたわね。」

噂6、ゲット。





アップデート。


よーし、うわさを6つ集めたぞ。

青年のうわさは要らなかった気もするけど。



はっ。



コリンの視線。


コリンじー。


お、お前には声をかけてやらないからな!




ロングッシュのもとへ。


ロングッシュ、集めてきてやったぞ!



ロングッシュアイコン

ロングッシュ「ありがとうございます!  風聞を集めて来られましたね! おかげさまで、私どももRED STONEの真相の調査に一段と拍車をかけることができるようになりました。」



それはよかったね。


で、飴は?



ロングッシュアイコン

ロングッシュまだ終わりではありませんよ。

「もう一つ、頼みたいことがあるのですが…ブルンネンシュティグ地下水路にあるレッドアイ研究所に関する件です。  その閉鎖された研究所の中にRED STONEに関する内容がたくさん残っていると言います。  元々レッドアイ研究所という所が旧王政時代にRED STONEを研究するために作られた王立研究所ですので。  その場所へ行っていただき、どれでもよいので、手がかりに値するものを収集してきていただけたらと思います。  どのような物でも良いので、3つだけお願い致します。」




はあ?! ふざけんな!



ロングッシュアイコン

ロングッシュお願いしますよ、ケーキもお付けしますから。



よし任しとけ!




地下水路への探索



ミッション6・地下水路への探索



えーっと、ブルンネンシュティグの地下水路って…


地下水路


あった。




in 地下水路 B1


地下水路の中。


街の下にこんなダンジョンがあったんだなあ。

そう言えば、RED STONEに関する内容って具体的にどんなものなんだ?

聞いておくのを忘れていたな。


コボルト発見。


コボルト発見!

病気じゃないコボルトを初めて見た。

ちょっとからかってやろう。


当たらない。


うっ、当たらない!?

このコボルト…強い!


厳しい。


痛い!(ばりばりばりぼり。)


手ごわい。


ぜーぜー…。

手強かった。

ここの敵って結構強いんだな…。



襟の羽毛が特に目立つ。


ん?

何だこれは。

コボルトの襟の羽毛が特に目立つってどういうことだ?

羽毛があるのか? コボルト…。


鳥… だったのか? コボルト…。


何か持っているのかな。


何かありそうだからとりあえず狩ってみる。

飴の消費が半端ない。


襟の羽毛が特に目立ちすぎ。


倒す度に増える特に目立つ羽毛。

目立つから何なんだ。


レベルアップ。


わーい、レベルアップだ。


これはっ。


はっ!



ハンドアックス


木こり斧だー!!

バスタードソードより威力は劣るけど、決定打+3%がいいな!

どれ、早速使ってみよう。


使い心地は。


ふむ、威力はバスタードソードとそんなに変わらないな。


!





!!。


!!


すげえ!!


レベルアップ。


またレベルが上がった。

しかし



努力の跡。


いつになったらアップするんだー。



何か出た。


んっ?




天使の羽の切れ端。



おおお!

天上の天使の羽から落ちた羽毛…
別にコボルトの物って訳じゃなかったんだな。

というか、何でコボルトがこんなものを持っているんだろう。


さて、レベル10と言えば皆は覚えているだろうか。

そう、第三話のコリンの授業をクリアした時にもらったあの報酬、


移動速度Lv1のクロスシューズ装備。


[移動速度Lv1]クロスシューズが装備できるようになったのだ!

しかし残念ながら、足が速くなった実感が掴めなかった。

5%ぽっちじゃしょうがないか。


現在の装備。


足が草鞋からクロスシューズになって、防御が8→9になった。

何気に胴巻きを拾って装備したんだが、防御力は初心者ベルトと変わらなかった。

ストックは2→3になったらしいけどな。



バガボンド


バガボンド…。

変な名前…。



バガボンドアイコン

バガボンド(こいつには言われたくねえ…。)



戦ってみる。


ヘイホー! ヘイホー!



バガボンドアイコン

バガボンドあっち行け! キコリ野郎!



本棚発見。


ん? こんなところに本棚が。

怪しい。


坂本は目ざとい。


わーい、何か見つけた♪




レッドアイ報告書 15冊



じゅ、15冊も…。

重い…。



レッドアイ魔法師


胡散臭そうなおっさん発見。


坂本信条、怪しいものには喧嘩を売れ。


せいっ! せいっ!


ジュエリーフィンガー。


うわ、凄い指だ…。


おじい強し。


ぎゃー!!


しまった、このおじい強いぞ!!


頑張る坂本。


ヘイホオオオオ!!


勝利!


たあああ!


口ほどにもないっ。



残りのキャンディーSP


おじいのせいでキャンディSPの残りが13個になってしまったぞ。

30個くらいあったのになぁ、しばし強い敵との戦闘は控えよう。



本棚発見。


むっ、本棚…。

嫌な予感…。


予感的中。


やっぱり…。




レッドアイ報告書 7冊



これで計22冊か…。

覚えてろよロングッシュ…。




in 古都ブルンネンシュティグ


ロングッシュのもとへ。


やいロングッシュ!

お前のせいで大変だったぞコノヤロー!



ロングッシュアイコン

ロングッシュ「たくさん持って来られましたね。  この位なら今まで集めてきたものなどを合わせれば、十分な手がかりになるようです。 ありがとうございます。」




報酬ゲット。




ロングッシュアイコン

ロングッシュ「それから、ブルンネンシュティグ西の方にある旧レッドアイ研究所には行ってみましたか?  そこをある程度探険できるようになりましたら、国会議事堂内にいる我が議員様にぜひお会いしてみてください。  我が議員様のお名前ですか? 「ブローム」です。 今回まででしたら、八選国会議員です。」



おいふざけんな、飴とケーキ寄越せ!



ロングッシュアイコン

ロングッシュ本当にそんなものが欲しいんですか?
子供みたいな方ですね…。(ごにょごにょ。)




何か言ったか?



ロングッシュアイコン

ロングッシュいいえ何も。 はい、どうぞ。



わーい♪



ロングッシュアイコン

ロングッシュ弟さんにもよろしく伝えておいてください。 では、私はこれで。




嵐の前夜



えぇ? まだ続くの?

面倒くさいなあ。 国会議事堂に行けばいいんだっけ?



国会議事堂。


国会議事堂がブロームの私物になっている。




in 国会議員ブロームの事務室


ブローム発見。


この人がブロームか。

いいところに住んでいるなぁ。



ブロームアイコン

ブローム「冒険家に任せるしかない危ない仕事が世の中にはたくさんあると言うのに、 君の力では、まだまだ力不足のようだな。 20レベルになったら、また訪ねてきなさい。」



頼む気満々なのに何で偉そうなんだ。

どうせ俺は駆け出しのぺーぺーですよ、悪うございましたねっ。

20レベルってまだまだ先だよ。

このクエストは当分お預けだね!


家に帰って麦茶でも飲もーっと。



ミッション5・6クリア






おまけ


その頃、岡本は


ダッ!



女体のマネキンに欲情していた。






(第八話・完)



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