第十三話 ◆ 商道とは その2
(古都ブルンネンシュティグ編)
やっほー、
パーフェクト坂本です。
やるぜとは言ったものの、やっぱりこの距離を徒歩で行くのはきついよな。
でも他に交通の手段もないし… 歩いて行くしかないか。
どうせ歩いて行くなら、各街の商人たちを徹底的に調べてから行こう。
まずは古都ブルンネンシュティグの商人たちから聞き回ってみるか。
おお、商人って思ったよりたくさんいる。
確か問題は22問あるって言っていたな。
ブルンネンシュティグからブリッジヘッドまで、立ち寄る大きな町は全部で4つ。
一つの街でこんなに商人がいるんだから……これはかなり出題範囲が広そうだ。
俺、覚えきれるのか?
弱音を吐いてもしょうがないか。
まずはエイドゥルさんのところに行ってみよう。
エイドゥルさーん。
エイドゥルさん久しぶりー。
因縁の関係に俺を巻き込まないでください。
それよりも俺、ブリッジヘッドまで取引人の試験を受けに行くことになったんだ。
だから、エイドゥルさんの店の目玉商品とか教えてよ。
だから俺を因縁の関係に巻き込むのはやめてくださいってば。
それに手首保護帯はブレンシーさんのお店で買ったので、もういらないです。
はーい、どうもありがとうございました!
次は
エイドゥルさんと因縁の仲らしいリン・ジェイクさん。
初めまして、ぼく坂本ー。
凄い盾!?
それってもしかして、選ばれし勇者にしか扱えない盾だったり、伝説のドラゴンの鱗から作った最高の防御力を誇る盾だったりするんですか?
(ドキドキ)
うーん、凄く魅力的なクエストなんだけど、今は取引人の試験を抱えているからなあ…。
いっぺんにクエストを請け負うと自分が何をしているのか分からなくなるから、ごめんなさい今は試験を優先で!
試験に出題されそうな情報が欲しいんです。
リン・ジェイクさん、この店のお勧めの商品は何ですか?
なるほど、マインゴーシュがお勧めですね。(メモメモ)
(あれ、これってどこかで聞いたような。)
えっ?
(ドキッ//)
いや、でもこの間ブレンシーさんのお店でいくつか買ったばかりだし、持ち合わせも厳しいなーなんて…
はう!?
でも…!
うう……!!
orz
完全にカモられた…。
しかしいつまでもクヨクヨしていても仕方がない。
防御が増えたんだから結果オーライだ。
次、ドロシーさん。
近くで見たら結構美人かも。
(ポッ//)
こんにちは〜ぼく坂本。
クリムスン商店?
それは分かったけれど、従業員の君がどうして外で実演販売なんてしているの?
何この、どこかで聞いた事があるような可哀想な話は。
君が何でいじめられるのか少
し分かった気がするよ。
もういいんで、ドロシーさんのお勧め商品とかあれば教えてください。
帰還の巻物!!
助かった、一本欲しいと思っていたんだ。
クレンドルからもらった帰還の巻物、リザードマン狩りの時に全部使っちゃったから。
ドロシーさん、帰還の巻物を一本くださいな。
えっ?
で、でもさっき、リン・ジェイクさんにカモられたばかりで…!
分かったよ買います!
買えばいいんでしょう!(泣)
うぅ…結局
5本も買わされた…。
懐が寒いよぅ。(しくしく)
クリムスン商店の中に入ってみた。
ちょっとクリムスンさん、おたくの従業員はどうなってんの?(かくかくしかじか)
それ、従業員としてはどうなの。
この店主にしてあの従業員あ
りって訳か。
ああ、そうだった。
この店の目玉商品を教えてください。
へえ、そうなんだ。
試しに1セット買ってみようかな?
あれ…この違いは何なんだ…?
クリムスンさんも帰還の巻物を売っているんですか。
次はクリムスンさんから買うことにしよう。
参考になりました! また今度来ますね〜!
次はゼンシさんのお店に入ってみました。
それはおめでとう、若い娘さんなのに大したもんだ。
それじゃあ、見せてもらえますか?
あれ?
この店の防具って、全部
水色の文字で表示されているんですね?
そういえば、先日購入したお守りも水色の文字で表記されていたな。
魔法オプションが付いているよって意味だったのか。
ごじゅっさんま
……!!
(ぶほっ)
いえっ、生憎持ち合わせが足りないので…じゃっ!
(“も”って何だ“も”って…!!)
ちくしょう、これ以上ボられてたまるかぁ!!
…おっと、ここにも商人がっ。
チョキーさんか。 ラブリーな名前だね。
見てもいないのにイチャモン付けないでよ。
それに今は取引人の試験勉強中だから、クエストはまた今度ね。
チョキーさんのお勧め商品は何ですか?
うわあ、ごっついですね。
なるほどなるほど、ありがとうございました。(メモメモ)
あ、要りません。
ごめんなさあああぁっ………!!
…………
………
……
…
はーはー……いきなり泣き出すからびっくりして逃げてきちゃったじゃないか…。
気を取り直して、次いこう。
お次はヘンスさん。
やあ、ぼく坂本。
短剣と笛かあ…。
ごめんなさい、俺は剣士なのでどっちも使わないと思います。
もしかしたら弟の山本が短剣を買いに来るかもしれないので、その時はおまけしてあげてね。
うん? そう言えば山本って、シーフだったっけ?
まあ、どっちでもいいか。
お次はトンキンさん。
ぼく坂本ー。
いや、ビショップじゃないです。
どこをどう見てビショップだと思ったんですか。
そして勝手に話を進めないで。
ううん、気にしなくていいよ。
でもあんまり勘違いが酷いようなら、病院をお勧めします。
そらぁ残念だ。
また今度サービスしてください。
お次はウィル・フレドさん。
お久しぶりです、俺のこと覚えていますか?
嬉しい、覚えていてくれたんですね!
実は俺、ブリッジヘッドに行って取引人の試験を受けてくるんです。
テレポーター?
えっ、それが普通なんじゃないの?
いや、他に楽な交通手段があるなら教えてください。
最後にさらっと怖い事を言わないでよ。
ふんふん、なるほど。(メモメモ)
それは素晴らしい。
ん? あれ?
ウィル・フレドさん、ここの店の従業員だったんですか?
(分かるかー!!)
ううん、この間拾ったタウンソードがあるので、やっぱりもういいです。
ごめんね、ありがとうウィル・フレドさん。
ちょっとワリドさんに会っていきます。
という訳で、ワリドさん。
坂本ー。
はっ、ごめんなさい。
色んな人に自己紹介していたらいつの間にか略しすぎていました。
ここでもクエストがっ。
ごめんなさい、今から取引人の試験を受けに行かなきゃいけないんだ〜!
試験に出題されそうな情報が欲しいので、商品を見せてください。
ワリドさんいい人だ。
むう、でも装備できるものが一つも………
うん!?
嫌だあ〜〜〜!!(脱兎)
ううう…商人たちめっ、俺を
金背負ってきたカモとしか見ていないんだっ…。(ぐすん)
…うん? あの建物は何だろう。
('Д'三'Д')
おや、こんなところにも商人が…。
………。
いた、違反者が。
おまっ、もうふざけんなよ
通報だから通報!
(露店広報員に)
全く、堂々と悪徳商人を名乗って商売してるなんてとんでもない悪女がいたもんだ……あっ
トルスさんだ、こんにちは!
いや、今日はトルスさんのお店のことについて聞きに来ました。
実は(かくかくしかじか)
………。
いや、いいです…。
ありがとうトルスさん、そろそろ行きますね。
トルスさんてそういう………いや、人の趣味にとやかく言うまい…。
おや、ブルンネンシュティグの南側に井戸があるんだ。行ってみようっと。
こんなところにも商売をしている人がいるんだ。
こんにちは、ぼく坂本。
あなたもクエスト持ちですかぁ〜。
この街って困ってる人多すぎ。
ごめんなさい実は(かくかくしかじか)
あ…いや、愚痴なら今度ゆっくり聞いてあげます…。
(商人って大変なんだな…。)
えーっと次は……
そろそろ例の場所に行っちゃうか♪
バリカスさぁ〜ん♪
えへへ、いつも甘いお菓子をありがとう♪
でも今回は違うんだ、実は俺、取引人の試験を受けに行くことになってさあ。
しばらくブルンネンシュティグには帰れないから、バリカスさんに挨拶しておこうと思って。
こっ、これは!
高くていつも買うのを躊躇していた花だ!!
うん、もちろんだよ! ありがとうっ(もしゃもしゃもしゃ)
花うめ〜。
さて、次はっと…。
ハパンさん発見。
初めましてぼく坂本。
ハパンさんの店のお勧め商品を教えてください。
どれどれ……これがリトルウィッチの使う武器ですか。
可愛いですね☆型なんだ。
ところでリトルウィッチって、
推定何歳なんですか?
(そこまで…。)
ふう、何だか気まずくなったから逃げてきてしまった。
地図を見たところ、残すところあと一つのお店しか無いようだな。
残すあと一つの店は……。
こ、こんにちは……(びくびく)
(うっ、やっぱり…。)
い、いえ、実は……(かくかくしかじか)
ブレンシーさん、今本音が
漏れませんでした?
(キターーーーーッ!!)
(ヒイイ!!)
(勝手に話が進んでるーーー
ーー!!)
あ…ありがと…ございます…(しくしくしく)
でもまあ…これで必要な部位は全部揃ったんだし、悪くないかあ。(あれ、戦士用の武器はどこに行ったんだろう?)
魔法属性の抵抗力もちょっとだけ上がっているし…
//
うん、やっぱり買ってよかったな。
それじゃあ、次はマップに沿ってハノブに行ってみようと思う。
次回も俺の活躍をお楽しみに!
(第十三話・完)