番外編 その2 ◆ ある日、ブルンネンシュティグの一角で …………。 (気まずい……。) (気まずいのは今に始まった事ではないけれど…と言うか、β版当初からずっとだけれど、今日も今日とて気まずい…。) (ファーガソン……苦手なんだよなぁ。 俺も医者なのに、治療費が高いからってだけで私の事を見下しているしなぁ。 自分なんてコボルトの服を集めてばっかりで医者らしい事なんて何もしていないじゃな……いやいや、愚痴を言っても仕方が無い。) (そもそもこの配置がおかしくね? 私に「ブルンネンシュティグで唯一の医者」って言わせる割に治療師を隣に置くって、そりゃいざこざも揉め事も起こるってーの。) (というか暇…。 ぼったくりぼったくりって言ってくれるけれど、誰もこんな辺鄙なところに来てデスペナを治して行ってくれる人なんていないよ。 それなのにこの扱い…理不尽だ、ああ理不尽だ。) (あー、もうコボルトの服なんて欲しくねー。 特効薬もいつまで経っても完成しないし…。 それに比べて隣の治療師はいいよなぁ、 客足は全然だけど、一人でも客が来たら金をぼったくれてうはうはだもんなぁ。 ああちくしょう、忌々しい、羨ましい。) (うわ、またこっちを睨んでる…。 勘弁してよ、そんな目で見られても困るんだよ。 所詮あんたはコボルト服のおじさんなんだからさ、私とは生まれ付いての差があるんだよ。 っていうかコボルトくせー。) (うわ、こいつ今、俺を見下した目で見やがったな? モグリの分際で忌々しい。 やんのかコラ。) (何、あの挑発的な目。 どうせまた心の中で威勢を張っているんだろ? 文句があるならかかってこいよ。) ぐぅ。 …………。 (くっ……! 私とした事が、何たる失態……!!(ぶるぶるぶる)) (ぷっ…! こいつ腹を鳴らしてやんの。 そんなに腹が空ってんの? 病コボでも食ってろよ。(ぷるぷるぷる)) ぶっ。 …………。 (qあwせdrftgyふじこlp) wwwwwwwwww い、今のは笑いが思わず声に出てしまっただけで…!! え?w 何の話ですか?ww 何か音でも立てたんですか?ww
!!! ちょww まさかHぇ ええい煩い! 今日という今日は我慢ならん!! はあ? そっちから勝手に話しかけてきて逆ギレ? 誰がお前に話しかけた? はっ、お前が勝手に返事をして私を挑発したんじゃないか! 誰もがお前に話しかけに来てくれると思うなよ! この自惚れ屋がっ。 言いがかりはやめてくれませんかねぇ〜? 少なくともあんたよりは人望あるんですよ私は。 コボ服コレクターとか コボルトくせぇとか言われるけれど、あんたなんか親しいあだ名の一つも持っていないじゃないか! あんたなんて空気だよ空気、居ても居なくても一緒ww
言わせておけばっ!!
殺る気かい!? ちょっと待ったあー !! だっ、誰だ!? (お呼びでねぇー!!) お前たち、争いはやめたまえ! 呼んでねーよご老体が! 暇だからってこんな事にまで足突っ込んでくんな! そうだ、老いぼれはすっこんでろ! !? (さっきまで喧嘩していたくせに、この連帯は何だ…!?) 帰れー! 帰れー! ひ、酷い…!!(わあっ) あーっ! 老人を泣かせましたね!? (またややこしいのが出たー!!) 老人をいじめちゃ可哀想でしょう! どっちが泣かせたの? 謝りなさい! 知らないよ、このジジイが勝手に泣き出したんだし! そうだ、俺たちは悪くない! ジジイが勝手に泣いたんだ! ちゃんとジジイに謝らないと、八選国会議員のブロームに言いつけるよ!? て言うか、何でみんなしてジジイ呼ばわりなの!? そっちの方が傷付くよ!!
ギャー!
ギャー! ギャー! ギャー!! あーもしもし、ロングッシュ君かね? 古都の北東側が煩いと近隣住民から苦情が来ているんだ、片付けてきてくれたまえ。 かしこまりました。 (また雑用かよ。自分でやれよ古狸…。) こうして今日も、ブルンネンシュティグの平和は守られた。 (番外編 その2・完) |